同じプロンプトでClaudeとChatGPTにタスク管理アプリを作らせたら、見た目と信頼性で評価が割れた
ClaudeとChatGPT、まったく同じプロンプトでタスクカレンダーアプリを作ってもらいました。Claude版は「Sotto.」、ChatGPT版は「すっと」。渡したプロンプトにアプリ名やキャッチコピーそのものの指定は入れていないのに、両方とも近い発想に着地していて(Sotto.は「書くだけのタスク管理」、すっとは「書くだけで整うタスク管理」)、そこからしてちょっと面白い一致でした(プロンプト自体に「自然な文章で入力するだけ」という表現があったので、「書くだけ」という言葉選びまで完全に無関係だったとは言い切れませんが、名前の音の近さも含めて偶然にしてはよく似ていると思います)。
両方とも実際に触ってみて、見えてきたのは「どっちが優れているか」では片付かない、きれいに軸の分かれた差でした。
見た目はChatGPT版に軍配
素直に言うと、色味やレイアウトの好みはChatGPT版(すっと)の方が上でした。「今日/今週/それ以降」という3カラムのカンバン表示は見通しが良く、タスクごとに所要時間の見積もり(「1.5時間」など)まで自動で出してくれるのも、Claude版には無い気の利いた機能です。長めの文章を入力したときには「AIが整理しました」というプレビュー画面を一度挟んでから確定する作り込みもあり(ただし後述のとおり、短い一文ではこのプレビューが出ないこともありました)、全体的に「プロダクトとして仕上がっている」印象を受けます。
Claude版(Sotto.)は白背景に紫のアクセントだけのシンプルなライトテーマで、機能面でも所要時間の概念自体がありません。見た目の第一印象だけで比べると、正直分が悪いです。
操作したときの反応の良さはClaude版
一方で、実際に手を動かして使ったときの気持ちよさはClaude版が上でした。自分が普段使っている自作の断片メモアプリ「Danpen」に近い感触で、Enterを押した瞬間にタスクが即座に追加される軽さがあります。ChatGPT版は、複数の情報を含む長めの文章を入力したときはAIの整理結果を確認してから「この内容で追加」を押す一段階多いフローになり、丁寧ではあるものの、その分レスポンスの軽快さでは劣ります(後述のとおり、短い一文ではこの確認ステップを経ずに直接追加されるケースもありました)。
決定的だったのは、この入力をどう処理したか
ただ、両者の差が一番はっきり出たのは見た目でも操作感でもなく、「書いた文章をどう処理したか」でした。
先に検証条件を書いておきます。ChatGPT版はtakuma自身のアカウントでログインした本番環境で操作しました。一方Claude版は、Cowork環境の外(普通のブラウザ)で動かしたため、コードに組み込まれたAI呼び出しは働かず、AIが使えないときの保険として用意されているローカルの正規表現パーサーが代わりに動作していました(アプリ自身、通知のラベルを「AI」ではなく「簡易解析」に変えて、フォールバック中であることを表示していました)。つまりここで比較できたのは「ChatGPT版アプリの本番AI」対「Claude版アプリのAI不使用のフォールバック」で、ClaudeとChatGPT、どちらのAIの自然文解釈能力が高いかを直接比べたものではありません。それを踏まえたうえで、両方に「木曜までに資料作成」と打ち込んでみた結果です。
ChatGPT版は、タスク名の欄に「木曜までに資料作成」という入力文そのままが残りました。期限も木曜ではなく、その日(今日)がそのまま入っていました。
ChatGPT版「すっと」。入力した文章がそのままタスク名になっている。
Claude版(のフォールバック)は「資料作成」だけを残し、期限も翌日(木曜)に変換されていました。日付や「まで」といった語尾を落として、タスク名を簡潔にする処理が、AIが動いていない状態でも機能していたことになります。実際、ソースコードを見るとAIへの指示文にも「タイトルは20文字以内の簡潔な名詞句にし、冗長な語尾は落とす」という指定が明記されていました。つまり同じ「余計な語を削ぎ落とす」というルールが、AI呼び出し側と、AIが使えないときの保険(フォールバック)側の両方に、それぞれ別のロジックとして用意されていたことになります。ここに設計の丁寧さを感じました。
Claude版「Sotto.」。いずれも簡潔なタイトルで並んでいて、各カードの「原文」ボタンから元の入力文をいつでも確認できる。
見た目が良いことと、この入力をちゃんと処理できることは別軸
ここまで見た2つのアプリは、「見た目の第一印象が良い」ことと「今回の入力をちゃんと処理できる」ことが逆方向に分かれた例でした。ただし検証できたのは今回のような短い一文の入力1パターンだけで、複数件の依頼や曖昧な期限など、他の書き方まで試せたわけではありません。それでも少なくともこの1つの入力では、ChatGPT版の方が触った瞬間の満足度は高い一方、「思いついたことをそのまま書けば、あとは整えてくれる」というこのジャンルのアプリが担うはずの仕事——書いた文章から余計なものを削ぎ落として、必要な情報だけを残す——では、Claude版(のフォールバック)の方が扱いやすい結果を出しました。
どちらが優れている、と単純に結論づけるつもりはありません。ただ、非エンジニアの自分が「AIに作らせたアプリを毎日使うかどうか」で選ぶなら、見た目の第一印象より、この「書いたものをちゃんと汲み取ってくれるか」の方を優先します。